リチウム電池正極/有機電解液界面構造の直接観察
放射光X線表面回折を用いたリチウム電池正極/有機電解液界面 構造の直接観察とリチウム脱挿入速度解析 リチウム過剰層状岩塩型酸化物Li2MO3(M:遷移金属)は、高容量型リチウム電池の正極材料として期待される一方、充放電時におけるサイクル維持率と出力特性に課題がある。Li2RuO3エピタキシャル膜で正極/有機電解液モデル界面を作製、反応解析すると、表面で不可逆な結晶構造変化が生じ、リチウム脱挿入速度が低下することを見いだした。本研究では、表面に数nmのLi3PO4を修飾すると脱挿入速度が改善されることを見いだしたので、放射光X線表面回折法で電池反応時のLi2RuO3表面における結晶構造変化をその場観察し、構造面から、リチウム脱挿入速度との関連を明らかにした。
【論文】Machiko Abe, Hideaki Iba, Kota Suzuki, Hiroaki Minamishima, Masaaki Hirayama, Kazuhisa Tamura, Jun'ichiro Mizuki, Tomohiro Saito, Yuichi Ikuhara, Ryoji Kanno, Journal of Power Sources, 345, 108–119 (2017)